「ごめん!放課後来てほしいって言ったのは忘れてくれ」


メレンダが戻ってくると、岸田たちはすぐに謝りに行った。
きょとんとしつつ、メレンダは頷いた。


帰りの会が終わり、当たり前のように二人並んだ。


「雪がちょっと積もってる。踏むのがもったいないね」


木の影や車が走らない部分は、白い雪が薄く重なっていた。


「運動場を見たとき思ったけど……粉砂糖みたい。運動場はコーヒーケーキかな?道路は……黒ごま?」


メレンダは景色をお菓子に見立てている。
美味しそうな色をしていない道が多いから以外と難しいな。
想像力が豊かなんだな。


「じゃあ、これは抹茶?」


丈の低い木を指さした。


「……茶葉?摘む前の……」


「あははっ!そっか、思いきり葉だったね!」


「ふふっ、茶葉そのままは砂糖かけても食べれないわー」


無理矢理探したら、おかしなことになった。そもそも見立てるのが難しいのだ。
話題は、抹茶のお菓子はどれが好きかに移った。