昼休み、弁当の蓋を開けようとしたときだ。メレンダの方を見ると、手招きされていた。


椅子に弁当をのせて移動する。


「来てくれてよかった。あの子たちがフィウメを質問攻めにしようとしてたから」


ヒソヒソ声でそう言った。
メレンダの視線の先には、噂話が大好きな女子グループがいた。
危なかった……。

メレンダは弁当を食べ終えると、カレーせんべいを食べていた。
僕も一つもらい、開封する。カレーのにおいがふわっと出てきて、食欲を誘い出す。


「緋梅君、先生が呼んでたよ。職員室に来てってさ」


いいところだったのに。
食べかけのせんべいを机の上に置き、職員室に向かった。