「ふっ……はははっ!これで邪魔なやつが消えたぜ」


照先はどすんと椅子に腰掛ける。


「ねぇ永田、僕財布まで盗んできたよー。あの子も完全に蔵王さんがやったと思ってる。凄くない?」


褒められたそうな鈴城が永田に歩み寄る。


「ああ、鈴城はよくやったね」


「爽ちゃんの財布、小銭しかなかったよ」


「お前が色々買わせるからだろ」


「可哀想だしキスくらいはしてあげよう」


守築は眉を寄せ、唇に人差し指を当てた。
鈴城は永田に犯行自慢を続けている。永田は相槌を打ちながら証拠品を片付ける。



これでギターは一人になった!



「皆、練習しよう!五人になったからまた頑張らないと」


僕が声をかけ、皆は準備を始めようとする。


「そうだな。今日からはうるさいやつがいないから、快適に練習できそうだ。あっ永田、片付けといてくれ」


「えー、照先が言い出しっぺだろ?」


「爽ちゃん来てるといいな」


僕は一足先に、いつものギターといつものピックを持っていた。


今日からはもっと楽しくなりそうだ。