なんかじゃない。


ギラリと光る、

モンスターの放った矢が俺の方へ飛んできた。


危ない。


頭ではわかっているのに、

体が動かない。


「ゼラさん!」


「…え?」


当たる。


そう思った矢は、俺の前でポトリと落ちた。


いつの間にか、

俺の前に透明なシールドが張られていた。


「ゼラさん、逃げますよ!」


スズに引っ張られ、

無我夢中で出口を目指した。


あれはいったい何だったんだろう。


洞窟の中とは違い、

外は雲一つない晴天だった。