あの日の約束


朝が早いからなのかバスの中はほぼみんな寝てる。

一番後ろの席にいる私は
周りを見渡していた。
たっくんは...本を読んでいた。

わ、かっこいい...
いやダメダメ、私には翔が。

「どうした?」
たっくんが聞いてきた。

「ごめんね?邪魔しちゃったよね?」
周りが寝てたからたっくんの耳元で囁くように伝えた。


「.....ん、そんなことねえけど」
たっくんはタコみたいに顔が赤くて

「ねえたっくん、顔赤すぎタコみたいー」
なんて思わず言っちゃった。
たっくんて言うの止めてたんだ.....

「.....っ、さくらって呼んでいいのか」
たっくんがびっくりしたように言った。

「もちろんだよ、だってたっくんは大事な人だから」
待って私ったら何言ってんだろ...顔があつい。


「お嬢さんこそ顔真っ赤ですけど?彼氏はいつもこんな顔見せられてんの、たまんねえな」