「あの人あの人。」と夏希が言う先には たくさんの男女に囲まれた 中川翔と呼ばれる男がいた。 「翔って今まで特定の女の子作ったことないんだって」 「そうそう、だから翔の隣の女の子になりたくてみんな頑張ってるって感じ」 「そ、うなんだ~」 「さくらちゃん、ほんとに翔に興味ない?」 「え?」 「見たら惚れるっていうくらいみんな虜になっちゃうんだけど」 「まだ全然知らないから、ね、他にもいろいろ教えてーー」 そんな風に会話しているところを 翔に見られてるとは思いもしなかった。