私は駅から出て、自分の穿いているタイツが伝線している事に気が付いた。
けれど、不思議と鬱な気分にはならなかった。
きっと美味しくないレモン味の飴玉をくれた彼のおかげだ。
「タイツ買わなきゃ…」
私はいつもよりデニールの低いタイツを駅近くのコンビニで買った。
_______________
「ただいま」
シンと、静まり返って返事はない。
両親は共働きで仕事柄帰りが遅い。
朝だろうと夜だろうとご飯を作るのは自分の仕事だ。
今日は作る気になれなかったので、カップ焼きそばで済ませる事にした。
「久しぶりのカップ焼きそばも美味しい。」
ただ、唯一助かるのは両親が大体外で食事を済ませてくれると言う事。
「からしマヨネーズがいい味だしてる。」
けれど家族で食べる時間が全くないわけでもない。
朝は必ず一緒、私がパンを焼いてスープを並べて皆が食卓につく。
「ご馳走様でした。」
私はどちらかというと朝より夜一緒に食べたいと思っている。
夜ほど気分が鬱になるから。
「あ、いただきますって言うの忘れてた。」
_______________
お風呂からあがると、先に帰っていたお母さんがリビングにいた。
「おかえり。」
お母さんは新しいシャンプーとリンスを袋からだして机に置いた。
「ただいま、もうお風呂入ったの。」
濡れた髪の毛を拭きながらお風呂に入った事を後悔した。
「うん、そのシャンプー高いやつじゃない?
お風呂入らず待っとけば良かった…。」
「お母さんが1番最初に高いシャンプーを使うことになって残念?」
お母さんは、笑いながらお高いシャンプーとリンスを持ってお風呂場に向かっていった。
けれど、不思議と鬱な気分にはならなかった。
きっと美味しくないレモン味の飴玉をくれた彼のおかげだ。
「タイツ買わなきゃ…」
私はいつもよりデニールの低いタイツを駅近くのコンビニで買った。
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「ただいま」
シンと、静まり返って返事はない。
両親は共働きで仕事柄帰りが遅い。
朝だろうと夜だろうとご飯を作るのは自分の仕事だ。
今日は作る気になれなかったので、カップ焼きそばで済ませる事にした。
「久しぶりのカップ焼きそばも美味しい。」
ただ、唯一助かるのは両親が大体外で食事を済ませてくれると言う事。
「からしマヨネーズがいい味だしてる。」
けれど家族で食べる時間が全くないわけでもない。
朝は必ず一緒、私がパンを焼いてスープを並べて皆が食卓につく。
「ご馳走様でした。」
私はどちらかというと朝より夜一緒に食べたいと思っている。
夜ほど気分が鬱になるから。
「あ、いただきますって言うの忘れてた。」
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お風呂からあがると、先に帰っていたお母さんがリビングにいた。
「おかえり。」
お母さんは新しいシャンプーとリンスを袋からだして机に置いた。
「ただいま、もうお風呂入ったの。」
濡れた髪の毛を拭きながらお風呂に入った事を後悔した。
「うん、そのシャンプー高いやつじゃない?
お風呂入らず待っとけば良かった…。」
「お母さんが1番最初に高いシャンプーを使うことになって残念?」
お母さんは、笑いながらお高いシャンプーとリンスを持ってお風呂場に向かっていった。
