ご飯を食べ終えたあと、私たちは近くの映画館に向かった。


「この時間はホラー系しかないけど、どうする?」


陽菜の問いかけに私以外の3人は「大丈夫」と答えた。


「カナはホラー苦手だよね?」

「だ、大丈夫だよ。1人じゃないし…」

「そう。じゃあ、私と柚希くんはチケット買いに行ってくるから、3人で待ってて」


……行っちゃった。

なんか、気まずいんだけど。


「トイレに行ってくるね」

「あ、うん」


翔也と2人きりですか! まじですか!

なんか変に緊張する。いつもと違う格好だから?


「…その服、カナが選んだの?」

「違うよ。お店の方が選んでくれたの。しかもこの服、新作なんだって! まだ販売されていないんだ」

「え、すごいじゃん!」

「私も驚いたよ。写真をブログとかSNSに載せる代わりに、この服をプレゼントするって言われて……初めは断ったんだけど、結局引き受けちゃった」

「それって、不特定多数の人が…」

「あ、大丈夫。顔は隠すって言ってたから」

「そうなんだ」


翔也は安心したように息をついた。


「もう! 翔也は過保護すぎ!」

「俺はカナのためを思って…」

「だから、そういうのだってば!」

「なに? 喧嘩してんの?」

「違う」


和希くんが間に入ってくれたおかげで、とりあえず収まったけど、なんかまだイライラする。