「カナ、おはよう」

「おっはよ〜! って、今日も元気ない!」

「2人ともおはよう……朝から疲れたよ」

「それって、息子さんたちが原因?」

「うん、まあ……」

「結局何人来たんだ?」

「3人」

「全員男?」

「うん」


翔也は驚いてフリーズしてる。

この光景、昨日も見たんですけど。


「詳しく聞かせて! ネタになる!」

「勝手にネタにしないでください」


陽菜は完全に面白がっている。


「誰なんだ!?」

「教えるわけないでしょ!」

「なんで……」

「鏡で自分の顔を見てみなよ。今、人を殺せそうな目をしてるよ」

「陽菜っ……」


「なんで笑うんだよ!?」と翔也はあたしの肩を軽くたたいた。


人を殺せそうな目って……完全にツボ。


「いつまで笑ってんだよ!?」

「ご、ごめん。お腹痛い……」

「あーあ、学校着いちゃった。入学式の準備とか、面倒なんですけど〜」

「お前らは会場準備じゃないだろ? 受付なんてラクじゃん」

「笑顔のままでいるのだって大変なんだから!」

「それに翔は午前で帰れるでしょ!? うちらは午後まで残らないといけないんだからね!」

「お、俺が間違ってたって。悪かった」

「わかればよろしい」


双子でも一応翔也が兄なのに、妹の陽菜の方が権力は上。



そういえば、和希くんと柚希くんの入学式って身内は誰も来ないのかな?


「カナ? どうしたの?」

「なんでもないよ。あれ? 翔也は?」

「部活の人に声かけられてあっちに行ったけど……息子さんたちのこと考えてた?」

「え、いや…別に」

「ほんっとカナはわかりやすいね〜」


陽菜が私の考えてることがわかるのは、昔からずっと一緒にいたからだと思うけど。


「あ、先生。おはようございまーす」

「おはよう」

「お、おはようございます…」


私は家で言ったけどね……