「和希くん、起きてる?」


返事はなし。

しょうがない、入ろう。


「……失礼しまーす」


静かにドアを開けて、ゆっくりと足を踏み入れる。

ベットの上で和希くんはスヤスヤと眠っていた。


うわ〜、綺麗な寝顔!

……って、見惚れてる暇なんてない!


「和希くん、起きて!」

「……ん、ゆず?」

「いいえ、奏美です」

「なっ、なんでお前が!?」

「起こしに来たんだけど」

「早く出ていけ!」


な、なんなの!?

なんで逆ギレされた!?


「言われなくてもそうします!」


柚希くんはあんなに素直なのに……
ちょっと度が過ぎてるところもあるけど。

でも今のは、勝手に部屋に入った私が悪い、のか……?