好きだから抱かれた。それも真実。もっと一緒に居たくて抱かれたくなかった。それも本心。
 
彼はずっと『答え』を望んでた。愁一さんかどちらか。抱くことで区切りをつけたいのだと知っていた。だから臆病にためらった。愁一さんへのやましさも綯(な)い交ぜに。
 
わたしの答えは最初から大介さんを失うと決まっていたから。その時を少しでも引き延ばそうとした・・・酷いエゴで。



大介さんは鎮まった後も私を腕枕に抱き込み、掌でずっと髪を撫でている。しばらく二人とも黙ったままただ躰を寄せ合い。時間だけが流れてく。

これから彼を傷付けるのは自分だと自覚している分、居たたまれなさがどんどん膨む。耐え切れそうになくて、私の手で幕を降ろそうと覚悟して重く口を開いた。

「・・・・・・大介さん」
 
「聴きたくない」

遮るように体勢を入れ替えて私を組み敷くと、真上から大介さんはじっとこちらを見据えた。 

「これで終わらせる気で抱かれたろ」

逸らすしかなかった眸。

「俺はそのつもり無いからな。本気でそう思ってんなら今ここでトドメを刺しとけよ?」  

言葉に詰まり何も言えなくなっている私に、大介さんは感情を抑え込んで冷ややかだった。

「二度とお前に近付けないくらい突き放せ、でなきゃ俺は。睦月を諦めてやれない」