俺だけでなく、ドームにいた全員が今の状況についていけていない
辺りに妙な静寂が広がる



だって、普通ありえないだろ
こんなところにあの二人が現れるなんて



いつもだったらキャーキャー声を上げるところだが、今に限っては凄すぎて声すら出ない



「ど、どうしてこんなところに…」



ルイさんが腰が抜けている俺の目線に合わせて屈んだ



「あの時のお礼が言いたくて、ハイドさんにお願いして連れてきてもらったんです。
セナさんっていうんですよね?」



ああ、声までこんなに綺麗なんて…
透き通るような、それでいてどこか凛としている優しい声色



「守ってくれてありがとうございました
これはお礼です。よかったら受け取ってください」