ついにドレスの人に手が振り上げられた時、俺は無我夢中で飛び出した



「水龍剣!」



カーンッ!



俺の出した剣と相手の鋭い鎌のような爪のぶつかる音が、静寂な空間に響く



「っ!あなた…」



背後から驚いたような声が聞こえる
でも今は後ろを振り向いて話していられる余裕はない



「今のうちに逃げてください!はやく!」



黒い獣の力は想像以上で、踏ん張っていてもグイグイ後ろに押されていた

このままじゃ長くはもたない



「………、すみません
今急いで助けを呼んできます!」