見失わないうちに、俺はこの集団から抜け出す 身体が勝手にドレスの人を追っていた 林の中に入ってからしばらく進む いっこうにドレスの人の姿は見えない どこに行ってしまったんだろう すると、急に開けた所に出た そこはただの草むらで、ポツポツと花が咲いている所 その草むらの中央に、俺に背を向ける形でドレスの人は立っていた 後ろ姿だけで分かる この人はとんでもなく美しいんだと そして俺らみたいな普通の人ではないんだと 「あの…」 そう声を掛けようとした瞬間、突如近くから物音が聞こえる