みんなが感嘆の声を漏らす中、シオンは一人顔をしかめていた



「隊長がいないんだよ。特殊部隊の一番前に並んでるめっちゃ美形でイケメンの奴、胸のバッチが副隊長のやつだぜ?」



そんなまさか



近くに移動して胸元をよく見る

確かにそれは副隊長の証のバッチだった



他の人たちは誰も隊長のバッチはつけていない

どういうことだ?



そう不思議に思った時、俺は“もう一人”いることに気づいた



隊員たちが立っている団の下、ちょうど特殊部隊の真後ろ辺り



そこから赤いドレスのようなものが見えた