「わかりました。お願いします」



目を瞑ると、ふわっと風が揺れるのを感じる
相変わらず詠唱らしき言葉は聞こえなかった

その代わりに、聞き慣れた話し声が聞こえる



「兄貴、なにしてんだよそんなとこ突っ立って」



「いや…、別になんでもねーよ」



部屋に入ってベットに身を投げる
なんだか一気に全身の力が抜けた



俺はこれからどうなるんだろうか
不安と期待、好奇心、少しの恐怖を感じながら目を閉じる



〈やべぇな…〉



こいつに気づくことなく、そのまま眠りについた