「ここは…秘密の場所、ってところかしら

ほとんど誰も知らないの。私のお気に入りよ」



そう言いながらルイさんが水に足をつける

水面が震えて、花がおどる



一枚の絵画のような光景からは、一体なんの為にここに来たのかがまるでわからない

ただ、どことなく緊張感だけが伝わってくる



「セナ、あなたもつけてみない?
案外気持ちいの。きっと気にいると思うわ」



「はぁ、…」



ルイさんに促されるまま、足を運ぶ



ヒヤッとする感覚はするが全然嫌な感じはしない

むしろ包まれるような、そんな不思議な安心感さえ感じている