屋上に響くチャイムではっと我に帰る。
「だ、だめよ!!!!」
そう言って名も知らない彼を突き放す
「あ?なんでだよ」
「授業が!ほら見て、あと10分で始まっちゃうのよ!」
「それくらいいだろ。何そんなに騒いでんの?」
「ダメよ!準備もしないとダメだし……早く行かなきゃ…!」
そう言って屋上を去ろうとする私の腕を乱暴に掴み、その男は自分の方に私を引っ張る
「ひゃっ…」
気づいた時には、また彼の胸の中にいた
この体温に私はめっぽう弱いらしく、ふにゃふにゃと溶けるように力が抜けてしまう
「ここにいろよ。そんな顔で授業受けるのか?」
そう言って袖で私の涙を優しく拭う。
言葉遣いは荒々しいくせに、こんな時だけ優しいなんて______
本当に、ズルくて優しい男-ヒト-
