私、今日からお金持ち目指します?

「君たちは無いなぁ」

芦屋君が言う。

「どちらかというと、俺、下条さんみたいな人が好みなんだぁ」

彼の言葉に、「なに!」と反応したのは怜華嬢と美麗嬢ではなく上条勝利だ。

「ダメだ! 残念だが、冬夏は俺のだからな」

俺のだ宣言? もう言葉も無い。その上条勝利に芦屋君が食ってかかる。

「エーッ、まだ、確定していないじゃないですか!」

二人のバトルに「そうだそうだ!」と参戦する木佐社長。

「勝利、当確してから言え! 俺にもチャンスはある!」

木佐社長……出馬表明ですか!

「ちょっと! 私たちにそんな台詞吐いてイイと思っているの!」

芦屋君のあまりの言葉に、一瞬トリップしていた怜華嬢と美麗嬢が我に返り、叫び出す。

現在、セミナー中ではなかったか? なのに、このワチャワチャな状況を誰も止めないのは……なぜ?

辺りを見回すが、マダム京極も巴女史も素知らぬ顔だ。ニコニコ顔で何か話している。あそこが縁側で、お茶と茶菓子があったら、昼下がりの日向ぼっこ風景だ。

隣の日下部・山下両名も……この状況でラブラブモード? 何をイチャイチャしているのだ!