「君は『でも』と僕の言葉を否定した。もう一つ言っておこう。自分が尊ぶ人の言葉を疑うことなかれだ! 勘違いしないで欲しい。それは至る所でイエスマンになれ、と言っているのではありません」
それはそうだ。全ての人の言葉を信じたら、詐欺に遭い、たちまち身包みを剥がされてしまう。
「君たちは『富豪への道』を目指したくてこのセミナーを受講した。だろう? まぁ、中には不純な動機で受講している者もいるようだが」
本日も前列ど真ん中で、上条勝利を見つめていた怜華嬢と美麗嬢がキャッと顔を見合わせる。
「このセミナーの中では僕の言葉を信じ、全てを受け入れて下さい、と言っているのです」
「なぜなら」と上条勝利が深い溜息を付く。
「富豪というのは、我々と言語が違うからです。富豪が白いモノを黒だと言えば黒なのです」
……意味が分からない。
「会場内の大勢が今、クエスチョンマークを頭に浮かべたと思います。それが普通です。ですが、それが富豪なのです。だから、僕の言葉が受け入れられないのであれば、到底、富豪にはなれません。普通の金持ちになって下さい」
「はい」とさっきの女性が手を上げる。
「理不尽ですよね」
「そう、理不尽だ。そこでだ!」
上条勝利がキリリと顔を引き締める。
それはそうだ。全ての人の言葉を信じたら、詐欺に遭い、たちまち身包みを剥がされてしまう。
「君たちは『富豪への道』を目指したくてこのセミナーを受講した。だろう? まぁ、中には不純な動機で受講している者もいるようだが」
本日も前列ど真ん中で、上条勝利を見つめていた怜華嬢と美麗嬢がキャッと顔を見合わせる。
「このセミナーの中では僕の言葉を信じ、全てを受け入れて下さい、と言っているのです」
「なぜなら」と上条勝利が深い溜息を付く。
「富豪というのは、我々と言語が違うからです。富豪が白いモノを黒だと言えば黒なのです」
……意味が分からない。
「会場内の大勢が今、クエスチョンマークを頭に浮かべたと思います。それが普通です。ですが、それが富豪なのです。だから、僕の言葉が受け入れられないのであれば、到底、富豪にはなれません。普通の金持ちになって下さい」
「はい」とさっきの女性が手を上げる。
「理不尽ですよね」
「そう、理不尽だ。そこでだ!」
上条勝利がキリリと顔を引き締める。


