私、今日からお金持ち目指します?

その後は粛々と時間は過ぎ、遅刻はしたものの二回目のセミナーも無事終了。ホッとしているとポンと肩を叩かれる。

「お疲れ様」

日下部さんだった。隣には当然、山下さんの姿もある。

「しかし、下条さんもチャレンジャーだね。あの上条さん相手に遅刻するなんて」

山下さんが笑いを噛み殺し言う。

「何とでも言って下さい。遅刻したのは事実ですから」

ちょっとやさぐれて言うと、日下部さんが山下さんを小さく睨む。

「ねぇ、そんなことより、お夕飯を一緒に取らない?」

日下部さんがニッコリと微笑む。

「イタリアンの店なんだけど、ドルチェが最高に美味なんだ」
「あら、料理も最高に美味しいわよ」

ドルチェ! 我が店の役に立つかも、と二つ返事で承諾する。
でも、本当は初めてなんだよね、こういうアフターファイブ? みたいなもの。

「それ、僕も参加するから」

いつの間に!
上条勝利が私の肩越しから参加表明する。

「あっ、どうぞどうぞ」

山下さんがピキンと固まり返事をする。

「エーッ、だったら私たちも行く!」

怜華嬢と美麗嬢の二人だ。
相変わらず上条勝利のコバンザメだ。