「確かに。それが価値ある選択の時間なら有意義で楽しいものです」
上条勝利が一旦は肯定する。
「だが、注文したと同時に、同僚の選んだ方が良かったかもと後悔する輩もいるでしょうし、通常、勤め人のランチタイムは一時間」
だろう? と前列に座るサラリーマン風の人に同意を求める。
「十一分も『選ぶ』という行為に時間を費やし、尚且つ後悔の念を抱く。なんと時間の無駄遣いだろう」
彼の言っていることはある意味正論だ。でも……無性に反発したくなるのは、彼の傲慢な態度にだろう……か。
「時間は無限にあるように思えるが、決して無限ではない。だから、有意義に使ってこそ価値あるものになる」
最後尾から見ているとよく分かる。会場中の人々が、首振り人形のように上条勝利の言葉にイチイチ頷く。
「だから、富豪になりたければ、時間の使い方を改め大切に使うように心掛けて下さい」
彼はカリスマ……否、そんなイイものではない。人タラシなのだろう。巧みな言葉で人を魅了し、陶酔させ、逆らえなくする。怖い存在だ、としみじみと思っていると……。
「くれぐれも言っておきます。皆さん、遅刻はしないように! 僕の話を聞き逃すと富豪への道が遠退きますよ」と言いながら、釘を刺すように私を見る。
念を押されなくても分かっていますと、悔しいが頷く。
本当、昔と変わらず、いけ好かない奴!
上条勝利が一旦は肯定する。
「だが、注文したと同時に、同僚の選んだ方が良かったかもと後悔する輩もいるでしょうし、通常、勤め人のランチタイムは一時間」
だろう? と前列に座るサラリーマン風の人に同意を求める。
「十一分も『選ぶ』という行為に時間を費やし、尚且つ後悔の念を抱く。なんと時間の無駄遣いだろう」
彼の言っていることはある意味正論だ。でも……無性に反発したくなるのは、彼の傲慢な態度にだろう……か。
「時間は無限にあるように思えるが、決して無限ではない。だから、有意義に使ってこそ価値あるものになる」
最後尾から見ているとよく分かる。会場中の人々が、首振り人形のように上条勝利の言葉にイチイチ頷く。
「だから、富豪になりたければ、時間の使い方を改め大切に使うように心掛けて下さい」
彼はカリスマ……否、そんなイイものではない。人タラシなのだろう。巧みな言葉で人を魅了し、陶酔させ、逆らえなくする。怖い存在だ、としみじみと思っていると……。
「くれぐれも言っておきます。皆さん、遅刻はしないように! 僕の話を聞き逃すと富豪への道が遠退きますよ」と言いながら、釘を刺すように私を見る。
念を押されなくても分かっていますと、悔しいが頷く。
本当、昔と変わらず、いけ好かない奴!


