「いえ」と咄嗟に否定する。
嗚呼、初対面の人にどうして正直に答えているのだ、と心の中で自分を罵っていると、ご婦人が訊ねる。
「そうよね、そんな綺麗な格好でお勤めはないわね。アッ、もしかしたらお見合い?」
ご婦人の瞳がキラキラ輝き出す。
元気になったようだ。
「いえ違います。セミナーを受講しに行くのです」
またまた正直に答えてしまう。
「セミナー?」
好奇心満々の瞳がジッと私を見る。それは、何のセミナーか言えと言っているのか?
ハーッと溜息が出る。どうやら私は、この手のタイプに弱いようだ。
「はい。経営セミナーの一種? みたいなものですが、『富豪への道』セミナーという胡散臭いセミナーを受講していて……」
「まぁ」とご婦人が驚きの声を上げる。
当然の反応だ。怪しい壺を売る、インチキ宗教みたいに胡散臭いセミナー名なのだから。
だが、私の思いとは違ったようだ。ご婦人はとても愉快そうにコロコロ笑い出す。
「胡散臭いセミナーね。確かに!」
笑い過ぎて涙まで流している。
どうして? と思っていると、ご婦人が美しい笑みを浮かべ自己紹介する。
嗚呼、初対面の人にどうして正直に答えているのだ、と心の中で自分を罵っていると、ご婦人が訊ねる。
「そうよね、そんな綺麗な格好でお勤めはないわね。アッ、もしかしたらお見合い?」
ご婦人の瞳がキラキラ輝き出す。
元気になったようだ。
「いえ違います。セミナーを受講しに行くのです」
またまた正直に答えてしまう。
「セミナー?」
好奇心満々の瞳がジッと私を見る。それは、何のセミナーか言えと言っているのか?
ハーッと溜息が出る。どうやら私は、この手のタイプに弱いようだ。
「はい。経営セミナーの一種? みたいなものですが、『富豪への道』セミナーという胡散臭いセミナーを受講していて……」
「まぁ」とご婦人が驚きの声を上げる。
当然の反応だ。怪しい壺を売る、インチキ宗教みたいに胡散臭いセミナー名なのだから。
だが、私の思いとは違ったようだ。ご婦人はとても愉快そうにコロコロ笑い出す。
「胡散臭いセミナーね。確かに!」
笑い過ぎて涙まで流している。
どうして? と思っていると、ご婦人が美しい笑みを浮かべ自己紹介する。


