どういう意味?
「下条さんは、本当にご存じじゃ無かったのね」
日下部さんの口元がフッと緩む。
「上条勝利のセミナーは、申し込みをする時、履歴書を一緒に提出するんだ」
山下さんが言う。
はぁぁぁ! どういうこと? ということは、私の履歴書も提出されていた、ということ?
「何の意味があって?」
驚く私に日下部さんが説明する。
「上条勝利という男は、上昇志向の高い野心を持った人間なの。当然、セミナーに来る人間も厳選する」
何だ、それは……。
「あの彼女たち、著名な企業の令嬢たちなの」と視線で前を歩くあの二人を指す。
「彼女たちとは三回とも会っているわ。彼はきっと“使える”と思っているんでしょうね」
益々分からない。
「彼は自分を利用しようとしている人を鬱陶しく思っているのでは? だから、寄せ付けないようにしているのですよね。矛盾しています」
「そう! でも、逆もまた真なり。上条勝利も参加者を利用しようと思っているの。彼女たちは利用するに値する人間なの。だから、何度も参加を許す」
狸と狐の化かし合い? そんなところなのか、ここは!
「下条さんは、本当にご存じじゃ無かったのね」
日下部さんの口元がフッと緩む。
「上条勝利のセミナーは、申し込みをする時、履歴書を一緒に提出するんだ」
山下さんが言う。
はぁぁぁ! どういうこと? ということは、私の履歴書も提出されていた、ということ?
「何の意味があって?」
驚く私に日下部さんが説明する。
「上条勝利という男は、上昇志向の高い野心を持った人間なの。当然、セミナーに来る人間も厳選する」
何だ、それは……。
「あの彼女たち、著名な企業の令嬢たちなの」と視線で前を歩くあの二人を指す。
「彼女たちとは三回とも会っているわ。彼はきっと“使える”と思っているんでしょうね」
益々分からない。
「彼は自分を利用しようとしている人を鬱陶しく思っているのでは? だから、寄せ付けないようにしているのですよね。矛盾しています」
「そう! でも、逆もまた真なり。上条勝利も参加者を利用しようと思っているの。彼女たちは利用するに値する人間なの。だから、何度も参加を許す」
狸と狐の化かし合い? そんなところなのか、ここは!


