「今一度、自分が書いた夢を見直して下さい。より多くの人を幸せにする夢に! では、今日のセミナーは、これで修了します。消化不良を起こしそうな終わり方ですが……」
確かにそうだが、結論は最初に聞いた。でも、予定では十時から十六時までだったはずだ……今はまだお昼前。
「今日は初顔合わせ、ということで、これからランチを取りながら、座談会形式で、今の話を膨らませることにしましょう」
キャッと例の女性二人からハートの声が漏れる。
「会場はこのホテルの最上階、フランス料理『ル・ポワヴル』です。四時まで貸切りにしてあります」
エッ、仕出し弁当じゃないの?
「まぁ、なんて素敵なサプライズでしょう!」
先ほどのマダムが声を上げる。
「そう思って頂けたのなら光栄です。富豪たちはサプライズが大好きですからね。では、窓側の皆さんから、どうぞ順に会場へ向かって下さい」
上条勝利が掌を上にし、ドアの方を指す。
人々が動き出すと共に会場内がざわめき出す。
その様子をボンヤリ見ながら……全然、詐欺じゃなかった。上条勝利に失礼な事を言っちゃったなぁ、と思っていると、「あのぉ」と声がかかる。
見れば、隣に座る男性の彼女さんが、こちらを見ながら微笑んでいる。
「下条冬夏さん、初めまして」
ハーッ、私も、もうすっかり有名人だ。アンニャロのお陰で!
「私は日下部弥生(くさかべやよい)と言います。お昼、ご一緒しませんか?」
確かにそうだが、結論は最初に聞いた。でも、予定では十時から十六時までだったはずだ……今はまだお昼前。
「今日は初顔合わせ、ということで、これからランチを取りながら、座談会形式で、今の話を膨らませることにしましょう」
キャッと例の女性二人からハートの声が漏れる。
「会場はこのホテルの最上階、フランス料理『ル・ポワヴル』です。四時まで貸切りにしてあります」
エッ、仕出し弁当じゃないの?
「まぁ、なんて素敵なサプライズでしょう!」
先ほどのマダムが声を上げる。
「そう思って頂けたのなら光栄です。富豪たちはサプライズが大好きですからね。では、窓側の皆さんから、どうぞ順に会場へ向かって下さい」
上条勝利が掌を上にし、ドアの方を指す。
人々が動き出すと共に会場内がざわめき出す。
その様子をボンヤリ見ながら……全然、詐欺じゃなかった。上条勝利に失礼な事を言っちゃったなぁ、と思っていると、「あのぉ」と声がかかる。
見れば、隣に座る男性の彼女さんが、こちらを見ながら微笑んでいる。
「下条冬夏さん、初めまして」
ハーッ、私も、もうすっかり有名人だ。アンニャロのお陰で!
「私は日下部弥生(くさかべやよい)と言います。お昼、ご一緒しませんか?」


