「もう一つ例を挙げるなら、作家だ。ベストセラーになれば一冊の本で何千万円もの印税が入ってくると言うじゃないか」
それも分かるが……作家もピンキリだ。
それに、いくらそれが『富豪への道』に続く職業だとしても、私は芸能人にも作家にもなれない。
「今、君たちは、『でも、芸能人にも作家にもなれない』と思っただろう」
うわっ、上条勝利は超能力者か!
「特に、下条冬夏さん」
なぜ名指しなんだ、と思いながらも、素直に「はい、思いました」と返事をする。
「君を富豪になり損ねたと言ったのは、イラストレーターや漫画家も、作品が生まれれば、その作品は不特定多数の目にさらされる。それが人に感動を与えるような作品なら、大勢の人を幸せにした」
あぁ、そうか!
「分かったようだね。そう、君が諦めた職業も『富豪への道』に続いていたのだよ。このように、与えた幸せの数と収入は比例する。だから、例えば、貴女!」
先ほど発言した中央の女性を指す。
「貴女の夢は素晴らしい。だから、少しだけ言葉を変えてみようか。『地球上にある施設の子供たち全員を大学に行かせるために、私は富豪になりたい』というように、より視野を広げるのだ」
女性の瞳が眼鏡の奥で輝き出す。
私も上条勝利の言葉に、胸がワクワクと高鳴り始める。
それも分かるが……作家もピンキリだ。
それに、いくらそれが『富豪への道』に続く職業だとしても、私は芸能人にも作家にもなれない。
「今、君たちは、『でも、芸能人にも作家にもなれない』と思っただろう」
うわっ、上条勝利は超能力者か!
「特に、下条冬夏さん」
なぜ名指しなんだ、と思いながらも、素直に「はい、思いました」と返事をする。
「君を富豪になり損ねたと言ったのは、イラストレーターや漫画家も、作品が生まれれば、その作品は不特定多数の目にさらされる。それが人に感動を与えるような作品なら、大勢の人を幸せにした」
あぁ、そうか!
「分かったようだね。そう、君が諦めた職業も『富豪への道』に続いていたのだよ。このように、与えた幸せの数と収入は比例する。だから、例えば、貴女!」
先ほど発言した中央の女性を指す。
「貴女の夢は素晴らしい。だから、少しだけ言葉を変えてみようか。『地球上にある施設の子供たち全員を大学に行かせるために、私は富豪になりたい』というように、より視野を広げるのだ」
女性の瞳が眼鏡の奥で輝き出す。
私も上条勝利の言葉に、胸がワクワクと高鳴り始める。


