彼との未来……と考え始め、ブルンと頭を振る。危ない! 一瞬、惑わされそうになった。
「ーー私の未来に貴方が登場するとは限りません。でも……自分の夢については、もう一度、真剣に考えたいと思います。多くの人を幸せにする夢を!」
「だからぁ、まず、俺を幸せにしてくれ。そうすると必然的に多くの人々を幸せに出来るんだ!」
本当に君は頑固だ、と上条勝利は運転しながら、ブツブツぼやく。まるで子供だ。その横顔を盗み見していると、自然に口角が上がる。
確かに、彼の言っていることは道理だ。彼には多くの人を幸せにする力がある。それでも、やはり長年の怒りは、そう易々とは収まらない。しかし、と心の声が語りかける。
さっき、一瞬浮かんだ彼との未来。彼と彼によく似た小さな子供と自分。あれは現実かもしれないよ……と。
あの天使のような可愛い子供に会ってみたい……湧き上がる夢。
だったら、私はどうすればいい?
「――善処します」
思わず口を突き出た言葉。
「お付き合いの中で、せいぜい、私のご機嫌を回復して下さい。そしたら、私も貴方との未来を考えます」
自分でも呆れるほど高飛車な言い方だ。なのに、あの傲慢な上条勝利が、怒りもせず笑っている。
「ーー私の未来に貴方が登場するとは限りません。でも……自分の夢については、もう一度、真剣に考えたいと思います。多くの人を幸せにする夢を!」
「だからぁ、まず、俺を幸せにしてくれ。そうすると必然的に多くの人々を幸せに出来るんだ!」
本当に君は頑固だ、と上条勝利は運転しながら、ブツブツぼやく。まるで子供だ。その横顔を盗み見していると、自然に口角が上がる。
確かに、彼の言っていることは道理だ。彼には多くの人を幸せにする力がある。それでも、やはり長年の怒りは、そう易々とは収まらない。しかし、と心の声が語りかける。
さっき、一瞬浮かんだ彼との未来。彼と彼によく似た小さな子供と自分。あれは現実かもしれないよ……と。
あの天使のような可愛い子供に会ってみたい……湧き上がる夢。
だったら、私はどうすればいい?
「――善処します」
思わず口を突き出た言葉。
「お付き合いの中で、せいぜい、私のご機嫌を回復して下さい。そしたら、私も貴方との未来を考えます」
自分でも呆れるほど高飛車な言い方だ。なのに、あの傲慢な上条勝利が、怒りもせず笑っている。


