私、今日からお金持ち目指します？

「中華料理が、というより、『晩餐の古城』だったからですよ！」

皐月さんのお誘いは、最高峰の宮廷料理を出す店として世界中に認知されている店だった。誰だって行きたいと思うだろう。

それを、勝手に断っちゃって！　本当、ムカつく！

「なら、日を改めて連れて行ってやる」

頬を膨らませる私を横目で見ながら、上条勝利はクッと笑みを漏らし言う。

「そんなこと言って、あの店は数年先まで予約でいっぱいと言うじゃないですか！　忘れた頃に行こうと言っても、私、行きま……」

「せん」とは言えない。絶対に行っちゃう。悔しいけど……。
そんな私の心を見透かしたように、「明日でもいいけど」と上条勝利はシレッと宣う。

「どんな場面においても、富豪に“不可能”という三文字はない。それは俺の辞書においてもだ」

実に偉そうな物言いだが、今までの事があるから納得せざる得ない。本当に悔しいが！

「俺と付き合う、ということは、君も富豪の仲間入りをする、ということだ。『富豪への道』には、一番手っ取り早い方法かもしれないな」