私、今日からお金持ち目指します?

そして、ジュエリーショップの……特別室だろうか? そこには……。

「どうして二人が! おば様まで!」

このサプライズは何なのだ!
そこに居たのは父と母、そして、皐月さんだった。

「もう、待ちくたびれちゃったわ」と皐月さんがコーヒーを啜る。
「こんなに待つなら、茶菓子にケーキを持ってくるんだった」と父。
「そうよね、皐月も食べたかったでしょう?」と母が皐月さんを見る。

この和気藹々とした様子は何だ!

「待ちくたびれる? 母さん、俺は確か、セミナー終了後に行くと言っておいたはずだが、いつからここに?」

「そうねぇ、確か……二時からだったかしら?」と答える皐月さんを上条勝利は呆れ眼で見る。

「先にちょっと見せて貰いましょうと言って、ねぇー」
「ねぇー」

母と皐月さんは顔を見合わせニコニコ頷き合う。

セミナーは四時に終了するが、それより二時間も前。そして、今は五時。

「三時間も何をやっているんですか! 本当に暇人ですね」
「あら、忙しいわよ。でも、お嫁ちゃんのことですもの、力が入っちゃうのよ」

皐月さんは、何か文句でもあるの、という顔で上条勝利に視線を送る。

「文句はありませんよ。でも、主役は僕たちです!」