「さっき言ったように、俺は君に一目惚れをした。でも……年が違いすぎた。今でこそ、七つ違いなど気にもならないが、あの頃は中学生と幼児とも思える小学生だ、戸惑うのも分かるだろう?」

まぁ、そう言われれば……。

「諦めようとした。それでも君がずっと脳裏にあった。俺が仕事人間になった一環は君にある。だから、君なんだ。責任を負って俺と結婚しろ」

なんたる言い草。呆れてものが言えない。
それでも……どうやら彼は本当のことを言っているようだ。

「上条さん、お話はよく分かりました。でも、今までの気持ちをすぐに忘れることはできません」

当然だろう!

「――なるほど!」と上条勝利がニヤリと笑い、「どうやら君も俺と同じ気持ちだったようだな」と意味不明な言葉を発する。

「何じ気持ち? どこが!」と思わず怒鳴ってしまう。

「君も俺に捕らわれていた、と言うことがだ」

彼は微笑みを浮かべたまま、繋いでいた手を自分の唇に近付け、私の手の甲にソッと唇を押し付けた。

「なっ何をするのですか!」
「王子が姫の手にキスをしたのだが、何か問題でも?」

ありありだ!