私、今日からお金持ち目指します?

「そんなお店が欲しかったんです! 私、コーディネイトが下手くそで、改まった席に行く時、いつも迷いに迷って、結局、お通夜みたいな黒一色のお堅いスーツで出掛けてしまうのです」

あっ、それ分かる!

「それに、女性って、服を買えば、靴や鞄、アクセサリーもって思っちゃうでしょう。全部揃えていると……私みたいな普通の勤め人はすぐに破産しちゃうわ」

そこはあまり分からない……女子力が低過ぎるのだろうか?

「でも、トータルにレンタルしてもらえたら、私の悩みは一気に解消! ただ……私に貴女方のような若々しい服は着られないわ。お店を開くなら、年齢層の幅を広げた展開を考えてね」

巴女史に怜華嬢と美麗嬢が瞳を輝かせ、「凄く貴重な意見、ありがとうございます」と礼を述べる。

おぉ、急に謙虚。

「いいねぇ。ねぇねぇ、なら、俺のクラシックカーを、そういう晴れの日の送迎用に使えないかな?」

芦屋君が訊ねる。

「それって、クラシックカーのレンタルをするっていうこと?」

話がだんだん大袈裟になっていく。
ここでパンパンと手が叩かれ、皆の目が上条勝利に向く。

「ブラボー!」

彼が満面の笑みを浮かべていた。