私、今日からお金持ち目指します?

ウヘッ、摂氏零度の眼。怖っ!

「では、五分経ちました。少し、聞いてみましょうか?」

上体を起こし、ニッコリ微笑む上条勝利。この変わり身の早さ……恐ろしい男だ。

「ハイ!」と芦屋君が手を上げる。

「俺は車を断捨離します。今、単車が五台とクラシックカーが六台あります」

その数は……いったい何のために?

「処分するのではなく、事業に役立てられないか、今週中考えて結論を出します」

断捨離を生かしちゃうんだ……流石、東大生。

「ハイ!」と次に発表したのは怜華嬢と美麗嬢だった。

「私たち、お洋服も靴も鞄も捨てられません。だから、芦屋君と同じです。捨てるのではなく有効利用しようと考えました」

「前々から思っていたのですが、確信が持てました。私たち、トータルファッションをコーディネイトするレンタルファッションの会社を立ち上げます」

唖然呆然とはこのことだ。
彼女たち、ああ見えて、やり手?

「大学生のベンチャー企業も、今は珍しくない時代です。まず、父たちの力を借りず、自分たちの力でやってみたいと思います」

凄くカッコイイ!

「あのぉ」とおずおずと手を上げたのは日下部さんだ。