肩よりも短く内に巻くようにふんわり柔かなショートボブに仕上がった祐香。

少し動きをつけて、祐香が俺に振り向く。



ん? ンプッ……



「 こら、春賀君… 笑わないの! うちの化粧品使っていいから顔洗おうか 」



祐香は泣きすぎたせいか、化粧崩れがひどい。

とくに目元がヤバい事になってた。

だから、ちょっと笑えただけで傷つけるつもりは全然ないから。



「 ごめん 」

「 ううん、顔洗らったらスッキリすると思うし、春賀君のおかげ、私、変身した気分 」



顔はグチャグチャなのに、その笑顔が可愛くてたまんねぇって……

マジで思った。


これって、もう一目惚れ… ってやつだよな。




姉貴の友達が祐香の顔まで綺麗にしていく。

失恋した涙事、綺麗に洗い流されて……



うわ… ヤベェじゃん。

祐香めちゃ可愛い……



直視して、あからさまに照れて俯いた。

これ以上祐香を見ていたら……

俺が俺でなくなる。



「 はい、完成! 春賀君、どう?」



どう?って……

そりゃもう、可愛いけど……

絶対、口に出さねー!!