その返事に美奈子は満足そうににこりと笑うと駐輪場ではなく、そのまま校門の方向へと歩きだした。 「チャリ、乗ってかないの?」 「うん、いい」 「せっかく待ってたんだから送らせてくんない?」 「今日はいい」 頑なに拒む理由なんて明らかだ。 今井先輩にはもう3ヶ月以上は会っていないはずなのに、あっけないぐらい簡単に美奈子の気持ちが揺らいでるのがよくわかる。