「特に亮介。去年のエースだった今井先輩も来るから、しっかり練習しとけよ」 「・・・はい」 ・・・特に、ね。 美奈子のことと野球は別だから、まぁいいけど。 エースとして、ご期待に添えるようにしておきますよ。 「以上。グラウンド整備してから帰れよー」 ベンチに山積みにしてあるスコアブックを持って部室に戻る美奈子の横顔は、いつもより遥かに機嫌が良さそうだった。