「亮介、部長が集まれって」 バッテリーを組んでくれている3年の沢藤さんが部室の窓から顔を覗かせた。 「えらい深刻な顔してんなー恋煩いか?」 恋煩い・・・って、久しく聞かない言葉だな。 「なんすか、それ・・・」 「佐藤だよ、落ちねーだろ?」 あそこまでしつこくすれば、そりゃ部の誰もが知ってるわけだ。 にやにや顔で見てくる厄介そうな沢藤さんを、どうしようか・・・。