亮介のことをちゃんと知ることが出来たのは、夏が過ぎて秋になった頃だったと思う。 人が誰かのことを知りたいと感じる時は、その人に興味を持った時だと思う。 その夏の夜、高校の屋上から見た花火は今でもよく覚えてる。 昼間の熱を吸った屋上のコンクリートの温度も、亮介の体温も、よく覚えてる。 亮介のことを知りたいと思ったのは、あの真夜中の夏を過ぎてから・・・。