「視線の先に今井先輩がいることにはすぐに気付いたよ。それからたまに美奈子のこと見てたんだよ。なんか楽しそうだったんだよな、生き生きしてて」
・・・そう、楽しかった。
だけど私だって知ってた。
ずっと今井先輩を見てたから、今井先輩がこっちを見ていなかったことに気付いてた。
片想いだって、知ってた。
「でもさ、卒業式の少し前くらいから時々なんとなく寂しそうにしてたんだよね」
「うん・・・」
「俺は、ただ1年間見てただけなんだけどさ、ただそれだけだと思ってたんだけど、実際は違った」
「違った?」
メニュー