「でもさ、美奈子楽しそうだよ。悲しい顔してないから、いいことじゃない?」

「でも・・・、まだ今井先輩のことは忘れてない」

「・・・そっか。じゃあ新米エースくんに頑張ってもらわないと」


相変わらず真紀は亮介に少しだけ味方している。


私は、相変わらず今井先輩を忘れていない。



ただ、亮介のおかげで先輩のことを思い出すペースはずいぶんと遅くなった。

それなりに楽しい時もある。

悪い選択では、なかったのかもしれない。

どっちにしろ、キスを許したことは失敗だったけれど・・・。