亮介は忠実に条件を守ってキス以上は絶対にしてこない。

その代わり、キスは必ずといっていいほどする。

マンションの裏手で別れ際に、とか。


でも、時々しないことがある。

そしたら、いつもしてるから、なんでだろうって気になる・・・。

誰だってそうなると思うけど。



「それって、ハマっちゃったんじゃない?」


そう説明した後の、真紀の冷静な一言。



・・・違う!絶対に違う。

自覚はないし、まだ余裕は残せてる。

だけどこの先、万が一ハマっちゃったら、なんか嫌だなと思ったりもする・・・。

そんな考えが浮かぶくらい、亮介は初めに思っていたよりも大人だった。