「俺さ、ポジティブだからこんな考え出来るのかもしれないけどさ・・・」
亮介は、いつになく真面目に考え込んで自転車に乗ったまま、うーんと唸る。
「美奈子さ、今井先輩のこと諦めらんないしどーすることも出来なくて辛いんでしょ?」
・・・私、それ認めてないんですけど。
「そんなこと一言も言ってないけど」
「ずっと見てたからわかるよ。辛くて悲しいんでしょ?じゃあ辛くて悲しくて一人より、辛くて悲しいけど二人、のほうがマシじゃねぇの?」
私の反論は無視なのね。
一人より二人、ね・・・。
一人より二人のほうがいいってこともあるって覚えといて。
そう言った真紀の言葉を思い出した。