年下彼氏




メール送信――。


なぜか会わなくなっても連絡は取ってた。
受信には亮介の履歴が並んでる。

メールの返信は、あるかな……。
みんなが帰った後の教室で、机に突っ伏しながら携帯を握り締めた。


女の子たちの笑い声。
野球部の練習の音。
吹奏楽の演奏。
すぐ近くで廊下を走って怒られてる生徒がいるらしい、先生の怒鳴り声が聞こえた。

久々の放課後は、なんだか懐かしい。



「美奈子っ!!」


突然呼ばれて驚いた。
体を起こして呼ばれた方を見れば、どこから走ってきたんだろう息を切らした亮介がいた。


「あー良かった、まだいた。帰ってたらどうしようかと。クラスのやつらに捕まって大変で……」

「今……、廊下走ってたの亮介?」

「え?あぁ、うん。体育のせんせーに怒られたけど。……って何笑ってんの」

「ん、別に。廊下は走るなって小学生みたいだよ、可笑しい」

「急いでたんだよ、美奈子捕まえる予定がクラスのやつらに捕まって」


久々にちゃんと顔を合わせた。
背が、また少し伸びたかな?
顔つきもちょっと変わったかも。


「今日は一緒に帰れるの?……って今メールしちゃった」

「もちろん、そのつもりで来たから」

「じゃあ、行こっか」