年下彼氏




「真剣に告白とかしたんだけどな、振り向いてもらえずに卒業してそのまま……」

「それからどっかで偶然会ったりしたの?」

「あぁ。それから二年後ぐらいだったかな、仕事でイタリアに行ったんだ。そこで空の写真を撮ってたら、隣で同じようにして母さんも空を撮ってたんだよ」

「なんかそれ、偶然すぎる再会だな」

「母さんにも言われたよ、本当に偶然?って何度もな」



――本当に偶然で、これを逃したら本当にもう会えないかもしれない。
そう思って真剣に気持ちを伝えたよ、半ば必死でね。
それでやっと連絡先を教えてくれた。

それから、少しずつお互いの距離が近づいていった。



「結婚して、お前が産まれて、幸せだった。けど俺は、徐々に仕事を任されるようになって、家庭を振り返ることをしなくなった」