亮介にどう接したらいいのかもわからないのに、お試し恋愛を終わらせること、なんて説明したらいいのよ……。

だってそれってつまり、告白だし……。

今まで、明らかに有利な立場でしか接してなかったから、これからどうやって亮介に接したらいいかなんてわからない。



ぼそぼそ喋る私に、真紀は驚いた顔を見せて、それから笑った。


「あははっ!そっかそっかぁ。美奈子は恋愛するとそうなるのね。面白いもの見れたなぁ!」

「なによ、それ。ちっとも面白くなんてないのに……」

「だってさ、今井先輩の時は楽しそうではあったけど、やっぱりどこか冷静だったというか。でも、亮介に対しては冷静さを無くしてるみたいだからさぁ」

「やだよ、こんなの。亮介相手にかっこ悪い……」

「いいんじゃない?それくらい本気ってことじゃない。……あ、ほら、走ってるわよ王子様が」


楽しそうにグラウンドを眺める真紀に、盛大にため息をついた。


豆粒大の亮介がグラウンドを走ってる。
もうすぐマラソン大会だから、体育がランニングなんだ……。