自覚してしまったら、あっという間だった。 今までと何も変わらないはずなのに、亮介がやけに視界に入る。 グラウンドにいる米粒大の亮介でさえも見つけられる。 ……なんかもう、重症だ。 「ふぅん。ようやく自覚したわけね」 「……真紀はいつから気付いてたの?」 「夏ぐらいかな?亮介といる時の美奈子の表情が変わったから」 自然な笑顔だったもの、と言った真紀の言葉に顔から火が出る思いだった。 「で、お試し恋愛は、いつ終わらせるの?」 にやり、したり顔で笑う真紀に、お手上げとばかり机に突っ伏した。