「・・・美奈子が好きだ」
念を押すような強い言い方に、思わず足を止めて隣の亮介を見上げた。
「・・・私の昔話、聞きたい?」
脈絡のない私の答えに、亮介は首を傾げながらも頷いた。
聞いたら、私を好きだなんて言えなくなるよ、きっと。
私に触れたいなんて、思わなくなっちゃうよ。
だって、汚れてるから。
でも、いつか本当に亮介を好きだと言える日が来た時に、全てを知ったうえで、亮介にも私のことを好きだって言ってもらいたいから。
もう、本当は好きなのかもしれないけれど。
まだ、今なら引き替えせるぐらい芽生えたばかりの小さな気持ちだから。
「私の、中学の時の話・・・」