年下彼氏




「・・・だめ、でしょ、それは」

「や、うん。そうなんだけど、なんつーか、理性をどっかに落としてきたっぽい」

「・・・拾ってきなさい、今すぐ」



やめてよ、そんな切なそうな顔。


「いつか、キス以上を許してくれる?」



さっきの行為が既にキス以上に感じるんだけど・・・。



でも・・・、許すのは、たぶん、時間の問題だと思う。

亮介に触れられたところが、暖かかい。

その心地いい暖かさに、自ら身体を預けてしまいそうになった。


だんだん気持ちを隠すことが難しくなってる。

気付かないふりも、たぶん、もうできない・・・。



「いつか私が、ちゃんと亮介のことを好きになれたら・・・。それから、亮介が過去の私を知って、それでも好きでいてくれたら」



その言葉に、しばらく悩んだ亮介は、どんな美奈子も好きだよ、と呟いて再び唇を重ねた。


亮介とのキスは、その時にはもうずいぶん慣れて心地いいものだったから、暖かい腕に包まれてキスを受け止めていた私は、全然気付かなかった。



―――玄関の鍵が開いたことに。