年下彼氏



***




「あのカフェには、どうして連れてきてくれたの?」


送られる道すがら、ふと思ったことを口にした。


「うち以外に親父の写真あるの、あそこぐらいだから。うち来たらあるけど、美奈子をうちに上げといて、何もしないでいられるかちょっと自信ないし・・・」



真面目に葛藤してるらしい亮介の表情を見て、思わず吹き出した。

何が可笑しいんだと言いたげにこっちを見てくる亮介の顔も、なんだか年下らしくて可愛い。

年下らしいところも、やっぱりちゃんとあるんだよね。



「ありがとね。写真見れて良かった」

「どういたしまして。あ、あと、忘れる前に渡しとくよ」



なんだろ?と少しだけワクワクしながら、ポケットを探る亮介を見守る。

右のポケット、左のポケット、それからバック。

・・・ん?もしかして。



「ごめん、うちに忘れた、かも・・・」