「・・・じゃあね?」
「うん」
おとなしく頷いたまではいいけど、腕離してよ?
なぜか急に掴まれた腕。
それに、なんでそんなに真剣な顔をするの?
調子が狂うんだってば・・・。
「美奈子?」
「なに?・・・っていうか条件忘れてない?」
自転車を挟んで近づく距離に焦る。
腕を掴まれたまま一歩下がったら、強く引き寄せられた。
「佐藤先輩?さっきの話、ちゃんと考えといてね?」
「・・・わかってるよ」
しぶしぶ返事をすれば、亮介が満足そうに笑う。
可愛い笑顔、ではなくて、生意気な大人びた笑い方で。
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