なんていうんだろう・・・。
今井先輩がだめだったから亮介、とか都合のいい事ではなくて。
ただ単純に一緒にいるだけ。
はじめに亮介に提示した条件通りの、1年間だけのお試し恋愛。
だけど時間が経つにつれて、亮介のことをもっと知りたい、と思ってしまった。
この気持ちがどんなふうに育つかなんてわからないけれど。
まだ、“好き”まではいかない。
だけど、“気になる”だけじゃない。
曖昧な気持ち。
廊下の向こうの方から近づいてくる足音を、なぜかドキドキしながら待ってしまう。
亮介だって、わかるのはなんでだろう・・・。
「――美奈子?」